インサート成形における「黒点」の発生原因と対策

インサート成形は、金属部品と樹脂などを一体成型することができる成形方法ですが、多くの成形不良が発生するリスクがあります。その中での一つとして代表的な成形不良で「黒点」が挙げられます。今回は黒点の発生要因とその対策について詳しく解説いたします。

黒点とは

黒点とは、インサート成形品の表面や内部に現れる黒色または褐色の斑点が発生する成形不良です。通常の樹脂流動では発生しない異物や熱劣化物が混入することで起こります。黒点は外観品質に影響を与えるだけでなく、製品強度や信頼性にも悪影響を及ぼす現象です。

黒点の主な発生原因

樹脂の熱劣化

インサート成形で黒点が発生する主な要因は、樹脂の過度な加熱による熱劣化です。樹脂が必要以上に高温に晒されると分解が進み、炭化物が生成され、成形品表面に黒点として現れ、不良を引き起こします。

異物混入

黒点の中には、樹脂に混入した異物が原因となる場合もあります。金属粉、樹脂粉、材料に混ざり込み、射出時に残ることで黒い点状異物となります。

黒点の主な対策

黒点は完全に発生を防ぐことは難しいですが、下記に黒点の発生を抑制する対策をご紹介します。

樹脂温度の最適化

黒点の原因となる樹脂の熱劣化を防ぐには、樹脂温度管理を徹底することが重要です。加熱シリンダーのゾーンごとに温度を適切に制御し、樹脂が長時間高温に晒されないようにします。また、樹脂滞留時間を短縮することで、樹脂の分解を防止することが可能です。

パージ材の使用

黒点は、ノズル内に残った樹脂や熱劣化した異物が付着していることで原因となることが多いため、成形前に専用のパージ材を用いて、成形機ノズル内を清掃することで異物混入の発生を押さえることで、黒点の発生を防ぐことが可能です。

材料管理の徹底

原料に混入する異物を防ぐためには、材料の保管環境の管理が重要です。吸湿による劣化を避けるために乾燥工程を挟み、異物混入を防ぐためにクリーンな環境で材料を扱うことで材料の混入を防ぎ、黒点の発生を抑制することができます。

インサート成形のことならインサート成形ラボにお任せください

いかがでしたでしょうか。今回はインサート成形の成形不良である黒点の原因と対策についてご紹介しました。インサート成形ラボを運営する日輝製作所では、インサート成形の試作から量産まで対応し、様々な課題解決の実績も多くございますので、インサート成形でお困りの方はお気軽にお問い合わせください!

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