バスバーのインサート成形におけるポイント

バスバーとは、電力を効率的に分配するための導体です。銅やアルミニウムなどの高導電性金属で作られており、銅バーと呼ばれることも多く、配電盤制御盤、車載部品などで使用されます。バスバーは複数の電気回路間で電力を分配するために設計されており、大電流を効率的に伝送する役割を果たします。

そして、電気抵抗が小さいため大量の電流を効率よく各部分に供給できるという特徴を持っています。
加えて、用途や設置場所に応じてさまざまな形状やサイズがあることから平板状、棒状、チューブ状などが一般的で、これらは設置スペースや電力需要に応じて選ばれます。例として、狭いスペースなどに設置する場合には、薄い平板状のバスバーが使われることがあります。

本記事ではバスバーのインサート成形におけるポイントについて解説いたします。

バスバーのインサート成形におけるポイント

バスバーのインサート成形において、重要な点を以下にまとめました。

1.導電性・耐熱性を鑑みたバスバー材料を選定する

バスバーの成形において、導電性と耐熱性に優れた材質を選ぶことが非常に重要になります。一般的に、銅やアルミニウムなど材質がバスバーの材料に選ばれます。銅は優れた導電性を持ちますが、コストが高く重量があるというデメリットがあります。

一方、アルミニウムは軽量でコストが低いものの、導電性が劣るため、用途や条件に合わせてこれらの材料を選定する必要があります。また、バスバーには腐食防止対策として、ニッケルめっきなどの表面処理が施されることもあります。

2.流動性・絶縁性を鑑みた樹脂材料を選定する

樹脂の流動性が低いと、空隙が発生する可能性があります。特に、バスバーと金型の隙間が狭い場合は、流動性の高い樹脂を選定する必要がありますが、反対に流動性が高すぎると、バリが発生しやすくなるため、適切な粘度の樹脂を選定する必要があります。

さらに、バスバーを使ったインサート成形品に用いる樹脂材料には、絶縁性を求められます。絶縁性が高い樹脂材料を選ばないと、絶縁距離を設けるなどそもそもの設計変更が余儀なくされる可能性があります。

3.金型の温度設定の最適化

インサート成形時、金型温度は、樹脂の流動性や硬化速度に影響を与えるため、厳密に管理する必要があります。金型内の温度が低すぎると、樹脂が早く硬化してしまうことで充填不良が発生しやすくなります。

反対に、温度が高すぎるとバリの発生や金型の摩耗が発生する可能性があり、温度が均一ではない場合は樹脂が変形してしまうため、金型温度を用途に適した温度に保つことが重要になります。

バスバーのインサート成形の加工事例

産業機械用中継端子

産業機械用中継端子_インサート成形ラボ

こちらは産業機械に使われる産業機械用中継端子の加工事例になります。大きさは60x82x22であり、材質は銅、PBT樹脂を使用しています。こちらの産業機械用中継端子の特徴として電力用の中継バスバーに3mm厚の端子にプレス加工を施しています。

3mmと厚板の端子をインサート成形する場合、振れ幅が大きく通常のインサート成形時より入れ子のメンテナンスをする頻度が多くなるため、インサート成形時に想定される大きさの入子を複数個用意することで、生産性向上と製品寿命の延長だけでなく、
効果的な成形を実現します。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。インサート成形ラボを運営する日輝製作所では、バスバーのインサート成形の豊富な実績がございます。試作から量産・金型製作から成形・組立まで対応可能なだけでなく、VAVE・品質向上につなげる設計提案も行っています。インサート成形でお困りの方はお気軽に当社までお問い合わせください。

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